壬申地券地引絵図(地券取調総絵図) じんしんちけんじびきえず(ちけんとりしらべそうえず) 40舗

古第2号

 

            壬申地券地引絵図(島川村地券取調総絵図)

 

 

 

1.部  門 古文書
2.所在地 滋賀県愛知郡愛荘町松尾寺878番地 愛荘町立歴史文化博物館
3.所有者 愛荘町長 村西俊雄
4.時  代 明治時代(明治6年〈1873〉〜明治8年〈1875〉)
5.内  容 本史料は愛荘町発足以前、旧秦荘町役場、旧愛知川町役場の税務課に伝えら

        れ、「公図」として広く行政事務に使用されていた。本史料の作成は明治5年

        (1872)7月に太政官布告で地券の発行が指示されたことによる。滋賀県では

        明治5年8月「地券取調掛取扱心得方凡例書」が出され、地券の発行と関連す

        る実地調査の方法が示され、一筆ごとに建てる標木や野帳の雛形を図示した。

        また、同書第16条には、「地引分間絵図之儀ハ、後年之証跡ニ相成候物ニ付

        一村限リ二枚宛(一枚ハ県庁江相納一枚ハ村方ニ備置)為仕立可申」とあり、

        各村に2枚の絵図の作成を指示している。明治5年は壬申年にあたることから、

        この地券は「壬申地券」と名づけられ、壬申地券の発行にともなって作成された

        のが「壬申地券地引絵図」である。表紙(外題)には「近江国愛知郡○○村地引

        全図」とあり、中書きには「地券取調総絵図」と記載され、年紀、戸長などの署

        名捺印、方位、凡例が書かれている。作成年は明治6年〜7年前半が多い。一

        村全図で作成され、土地割が一筆ごとに描かれ、地番と反別が記されている。

        また、地目ごとに色分けされ、600分の1の縮尺で作成された。小字の境界も明

        示され、小字名が記入されている。当時の測量技術はまだ十分でなかったため

        山地についてはゆがみが大きいが、田畑や宅地については精度が高く丁寧に

        描かれている。滋賀県は他府県に比べ精度も高く、多くの村で残され、江戸後

        期から明治初期にかけての景観をよく伝えている。大きく変貌した村々の姿が

        見られる貴重な史料群として、近年その保存が求められている。愛荘町内で確

        認できる「地券取調総絵図」は、秦荘地域で26村、愛知川地域で12村あり、合

        計38村の地図が町内に残されている。愛荘町域は当時41村あったことから、そ

        の遺存率は9割を超え、また、その内の32村(8割強)は愛荘町が所有し、遺存

        率、所有率ともに近隣市町村と比較し群を抜いて高く、保存状態も良好である。