木造聖観音立像 もくぞうしょうかんのんりゅうぞう 1躯
彫第6号  

1.部  門 彫刻
2.所在地 愛荘町松尾寺 金剛輪寺(本堂)
3.所有者 金剛輪寺 代表役員 住職 濱中光礼
4.時  代 平安時代
5.内  容 本像は、本尊の厨子内に秘仏として安置され

        ている代用壇材風の聖観音像。本尊のいわゆ

        る「お前立ち」との伝承もあるが、詳細は不明

        である。頭体幹部をカヤ材かとみられる1材製

        とし内刳りせず、素地のままで仕上げている。

        両肩以下などを別材製とし、後補される部位も

        認められるものの、総じて保存状態は良い。左

        手に未敷蓮華を執り、右手でそれに添える形を

        とるが、本尊像や金剛輪寺旧蔵(現ボストン美

        術館蔵)の銅造聖観音坐像、そして近在の仏

        心寺所有の聖観音立像など、いずれも同様の

        形となる。これは、胎蔵曼荼羅蓮華部院に坐

        像として表される形に近く、立像の形としては

        比叡山横川中堂の本尊像が有名である。12世

        紀以降に横川系の天台勢力がこの地域に進

        出したとことが推測されよう。本像は、低平な

        螺髪を結い、正面に冠を彫出し、面幅の広い個

        性的な顔立ちになる。あるいは、古像に準拠し

        た可能性も認められようが、制作自体は、彫出

        の明快さが顕著となる衣文表現などからして、

        12世紀も末の作と考えられる。