○読書のまちづくり推進に関する決議

平成20年6月20日

議決

私たちは、祖先から受けた郷土を将来にわたって子々孫々に引き継ぐために、平素より鋭意「まちづくり」に努めている。描く姿は、郷土と国の宝である子どもたちの元気な声が聞こえる町であり、2万町民が互いに信頼し、人権を尊び、生業に励み、いきいきと輝く町であり、社会のために尽くしたお年寄りが尊敬され、安心して生きていける町である。

現代社会は、科学技術は発展し経済的には豊になり暖衣飽食の暮らしは得たものの、人間の精神は混迷し、秩序・倫理は紊乱の極みにある。豊かな人間性に基づく新しい文化の創造が喫緊の課題として提起されているのである。換言すれば、私たち一人ひとりが豊かな文化的教養を培い、自己を見つめ、責任ある行動が出来る自立した個人としての成長が求められていると言える。

OECDのPISAと呼ばれる学習到達度調査がある。1位はフィンランドで日本はじりじりと順位を下げ続け、参加56カ国中、数学10位、科学5位、読解力は15位であった。

問題は学力観である。習得した「知識・技術」のみ学力と考える場合、「一夜漬け」「丸暗記」も可能であるが、記憶力オンリーとなり、その場限りの「見せかけの学力」となる。「あなた自身の考え」を「自分なりの言葉を使って答えよ」と言うPISAでは、知識・技術のみでなく、生活経験や、周辺の状況と関連づけて考え、自分の言葉で相手を説得する表現力までを学力とするものである。まさに今、社会が求める「生きた学力」と言える。この学力は家庭や地域の生活を通して習得されるものである。

「家庭や地域の教育力。」つまり言葉や生活習慣、コミュニケーション、生きていく上で必要なスキル等の生活文化の伝承が問われているのである。これを機能させ新しい生活文化の創造に努めなければならい。

本町の実勢を思う時、昨秋全国的な賞を受賞した「愛荘町の図書館システム」は本町の誇りであり、知の蔵であると考える。この宝を活かし、「読書の日を設定するなど、町全体で読書に取り組む特色あるまちづくりを展開すべきであると考える。時代の要請に応えるためには、子供達を始め町民全てが書物に親しみ、読書を友とし、師とする気風を育てることが大切である。

具体的な事業内容、推進方策の確立は町当局にお願いするものであるが、議員一人ひとりも率先垂範の実を以て当たる意気込みであることを付記する。

以上、決議する。

愛荘町議会

読書のまちづくり推進に関する決議

平成20年6月20日 議決

(平成20年6月20日施行)

体系情報
第1編 規/第1章 町制施行
沿革情報
平成20年6月20日 議決