○愛荘町環境保全のための特定旅館建築の規制に関する条例

平成24年3月2日

条例第3号

(目的)

第1条 この条例は、特定旅館の建築等およびその営業に係る広告物の規制に関して必要な事項を定めることにより、町民の清浄な生活環境および青少年の健全育成に必要な教育環境ならびに景観の保全を図り、もって住民福祉の増進に資することを目的とする。

(規制の基本理念)

第2条 この条例は、愛荘町環境基本条例(平成21年愛荘町条例第1号)の理念にのっとり、憲法の保障する職業選択の自由との健全な調和を図りつつ、前条の目的に照らし、特定旅館に対して合理的かつ必要最小限度の規制を行うことを基本理念とするものであり、常にこの理念に基づき運用されなければならない。

(定義)

第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 旅館等 旅館業法(昭和23年法律第138号)第2条第2項および第3項に規定するホテル営業または旅館営業の用に供する建築物をいう。

(2) 特定旅館 旅館等のうち、専ら異性を同伴する客の宿泊、休憩の用に供することを目的とした建築物で、規則で定める構造および設備を有しないものをいう。

(3) 建築等 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第13号に規定する建築、同条第14号に規定する大規模の修繕もしくは同条第15号に規定する大規模の模様替えまたは同法第87条第1項に規定する用途の変更または客室数を変更する修繕もしくは模様替えをいう。

(4) 広告物 公衆に表示されるものであって、看板、立看板、はり紙およびはり札ならびに広告塔、広告板、その他の工作物および建物に掲出され、または表示されたものならびにこれらに類するものをいう。

(建築主の責務)

第4条 特定旅館の建築等をしようとする者(以下「建築主」という。)は、この条例の目的を尊重し、良好な環境を確保、増進するよう努めなければならない。

(建築計画の届出および公開)

第5条 建築主は、建築等の計画を事前に町長に届け出るとともに、次条に規定する同意の申請前に、周辺地域住民等(以下「関係者」という。)に対してあらかじめ次の各号に掲げる方法により建築計画を公開しなければならない。

(1) 当該建築等に係る敷地内の見やすい場所に、次に掲げる事項を記載した標識を設置すること。

 名称

 敷地の地名地番

 構造および階数

 敷地面積および延べ面積

 建築主の氏名および住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名および主たる事務所の所在地。次号において同じ。)

 設計者の氏名および住所

 完成予想図

 設置年月日

(2) 前号の標識の記載事項に変更があったときは、速やかに記載内容を改めること。

(3) 関係者から説明会の請求があった場合は、速やかに説明会を開催し、色彩を明らかにした立面図および配置図を明示して、建築計画を説明しなければならない。

(町長の同意)

第6条 建築主は、次の各号に定める行政上の手続を開始しようとする前に特定旅館の建築等につきあらかじめ町長の同意を得なければならない。

(1) 建築基準法第6条第1項(同法第87条第1項において準用する場合を含む。)の規定による確認の申請

(2) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第29条、第32条、第43条第1項または第53条第1項の各規定による許可または同意の申請

(3) 土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第76条第1項の規定による建築行為等の許可の申請

(4) 農地法(昭和27年法律第229号)第4条第1項または第5条第1項の規定による農地転用の許可の申請または届出

(5) 旅館業法第3条第1項の規定による許可の申請

(6) その他町長が特に必要があると認めて指定するもの

(申請の手続)

第7条 前条の同意を得ようとするものは、次の各号に掲げる事項を記載した申請書を町長に提出しなければならない。

(1) 建築主の氏名および住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名および主たる事務所の所在地。以下同じ。)

(2) 設計者の氏名および住所

(3) 名称

(4) 敷地の地名地番

(5) 建築時に必要な許認可

(6) 建築等の種別

(7) 建築等の概要

(8) 建築計画の公開状況

2 前項の申請書には、建築物の平面図、立面図および配置図ならびに付近見取図その他規則で定める書類を添付しなければならない。

(同意の基準)

第8条 町長は、前条の同意の申請に係る特定旅館の設置場所が、次の各号に掲げる施設の敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。以下同じ。)もしくは地域の周囲おおむね300mの区域内および通学路(学校長または幼稚園長が、通学、通園路として指定した道路をいう。)の両側端からおおむね20mの区域にある場合において、その設置によって当該施設の清浄な施設環境が著しく害されるおそれがあると認めるときは、第6条の同意をしないものとする。

(1) 国、地方公共団体その他公の機関が設置する庁舎その他その事務または事業の用に供する施設

(2) 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校

(3) 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条に規定する児童福祉施設

(4) 医療法(昭和23年法律第205号)第1条に規定する病院および診療所

(5) 社会福祉法(昭和26年法律第45号)第2条に規定する社会福祉事業を営む施設

(6) 図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定する図書館

(7) 博物館法(昭和26年法律第285号)第2条第1項に規定する博物館および同法第29条に規定する博物館に相当する施設

(8) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第2条第1項に規定する文化財

(9) 都市公園法(昭和31年法律第79号)第2条に規定する都市公園

(10) スポーツ振興法(昭和36年法律第141号)第12条に規定するスポーツ施設およびこれらに類する施設

(11) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2第1項に規定する地縁による団体が設置する公民館、集会所、自治会館、公園その他これらに類する施設

(12) 住宅地およびその周辺

(指導および勧告)

第9条 町長は、建築主に対して、当該建築に関して必要な指導および勧告を行うことができる。

(中止命令等および公表)

第10条 町長は、次の各号に該当する建築主に対して、当該特定旅館の建築工事について中止を命じ、または相当の猶予期間を定めて当該建築工事の変更もしくは現状の回復を命じることができる。

(1) 第6条の規定に反して町長の同意を得ず、または第7条第1項に規定する申請に当たって虚偽の申請をして特定旅館を建築し、または建築しようとする者

(2) 同意を得ずに、または申請に係る建築計画を変更して特定旅館を建築しようとする者

2 町長は前項の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、その旨を公表することができる。

(屋外広告物の規制)

第11条 特定旅館の営業に係る屋外広告物を設置しようとする者(以下「広告主」という。)は、その設置によって第1条の目的が阻害されることのないように努めなければならない。

2 町長は、前項の広告物によって第1条の目的が阻害されるおそれがあると認めるときは、その広告主または管理者に対して、その広告物の撤去、移転または広告内容の変更を命じることができる。

(報告徴収および立入調査)

第12条 町長は、この条例の施行に関し必要があると認めるときは、建築主その他の関係者から必要な報告を求めることができる。

2 町長は、この条例の施行のため必要な限度において、職員を建築物、建築物の敷地または建築工事現場に立ち入らせ、必要な調査を行わせることができる。

3 前項の規定による立入調査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

4 第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(自主解決)

第13条 特定旅館の建築計画に係る紛争が生じた場合には、建築主は、誠意をもって自主的に紛争の解決に努めなければならない。

(審査会)

第14条 町長は、付属機関として必要に応じ、愛荘町特定旅館規制審査会(以下「審査会」という。)を設置する。

2 審査会は、町長の諮問に応じ、この条例の施行に関する基本的事項について調査審議し、必要な意見を述べる。

3 前項に定めるもののほか、審査会の組織および運営について必要な事項は、規則で定める。

(委任)

第15条 この条例の施行に関し、必要な事項は規則で定める。

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、現に第6条各号に定めるいずれかの手続が開始されている行為については、この条例は適用しない。ただし、この場合においても、建築主は、町長と協議し、この条例の目的に沿った適切な措置を講じるよう努めなければならない。

愛荘町環境保全のための特定旅館建築の規制に関する条例

平成24年3月2日 条例第3号

(平成24年3月2日施行)