壬申地券地引絵図(地券取調総絵図)

更新日:2019年12月25日

地券取調総絵図

壬申地券地引絵図(島川村地券取調総絵図)

古第2号

1.部門

古文書

2.所在地

滋賀県愛知郡愛荘町松尾寺878番地
愛荘町立歴史文化博物館

3.所有者

愛荘町長 村西 俊雄

4.時代

明治時代(明治6年〈1873〉~明治8年〈1875〉)

5.内容

本史料は愛荘町発足以前、旧秦荘町役場、旧愛知川町役場の税務課に伝えられ、「公図」として広く行政事務に使用されていた。本史料の作成は明治5年(1872)7月に太政官布告で地券の発行が指示されたことによる。滋賀県では明治5年8月「地券取調掛取扱心得方凡例書」が出され、地券の発行と関連する実地調査の方法が示され、一筆ごとに建てる標木や野帳の雛形を図示した。
また、同書第16条には、「地引分間絵図之儀ハ、後年之証跡ニ相成候物ニ付一村限リ二枚宛(一枚ハ県庁江相納一枚ハ村方ニ備置)為仕立可申」とあり、各村に2枚の絵図の作成を指示している。明治5年は壬申年にあたることから、この地券は「壬申地券」と名づけられ、壬申地券の発行にともなって作成されたのが「壬申地券地引絵図」である。表紙(外題)には「近江国愛知郡○○村地引全図」とあり、中書きには「地券取調総絵図」と記載され、年紀、戸長などの署名捺印、方位、凡例が書かれている。作成年は明治6年~7年前半が多い。一村全図で作成され、土地割が一筆ごとに描かれ、地番と反別が記されている。
また、地目ごとに色分けされ、600分の1の縮尺で作成された。小字の境界も明示され、小字名が記入されている。当時の測量技術はまだ十分でなかったため山地についてはゆがみが大きいが、田畑や宅地については精度が高く丁寧に描かれている。滋賀県は他府県に比べ精度も高く、多くの村で残され、江戸後期から明治初期にかけての景観をよく伝えている。大きく変貌した村々の姿が見られる貴重な史料群として、近年その保存が求められている。愛荘町内で確認できる「地券取調総絵図」は、秦荘地域で26村、愛知川地域で12村あり、合計38村の地図が町内に残されている。愛荘町域は当時41村あったことから、その遺存率は9割を超え、また、その内の32村(8割強)は愛荘町が所有し、遺存率、所有率ともに近隣市町村と比較し群を抜いて高く、保存状態も良好である。

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〒529-1202
滋賀県愛知郡愛荘町松尾寺878番地
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