償却資産の申告

更新日:2023年10月11日

償却資産の申告義務者

償却資産の申告については、通常の場合、固定資産税の納税義務がある償却資産の所有者が、当該償却資産の所在地の市町村長に対して行うこととされています(地方税法383条1項)。

申告の必要性

償却資産は土地・家屋と異なり、登記制度がないため、課税客体となるべき資産を把握することが非常に困難になっています。
そのため、申告制度を設けることで、償却資産の把握を行っています。

償却資産とは

償却資産とは会社や個人で工場や商店などを経営している人が、その事業のために用いることができる機械・器具・備品等をいいます。
固定資産税の課税対象となる償却資産には次の4つの要件が定められています(地方税法第341条第4号)。

  1. 土地および家屋以外の事業の用に供することができる資産であること
    事業の用に供することのできる資産であるか否かについては、資産の持つ機能はもとより、その資産の保有者の保有する目的等を総合的に判断することになります。例えば、家庭用として使用されるミシンは、事業の用に供していないことから課税客体である償却資産に該当しませんが、これが洋裁店等で使用される場合は、事業の用に供されていることから、課税客体である償却資産に該当することになります。
  2. 無形減価償却資産でないこと
  3. 減価償却額または減価償却費が法人税法または所得税法の規定による所得計算上損金または必要な経費に算入されるものであること
  4. 自動車税の課税客体である普通自動車、軽自動車、小型特殊自動車および二輪の小型自動車以外のものであること

申告が必要な償却資産

簿外資産

固定資産台帳等の帳簿に登録されていない資産であっても、事業の用に供することのできるものについては、本来減価償却可能な性質を有しており、他の同種の資産との均衡上からも申告対象となります。

償却済資産

法人税法及び所得税法で減価償却が終了して残存価額のみが計上されている資産についても、本来減価償却できる資産であるため、その資産が事業の用に供することができる状態におかれている限り申告の対象となります。

減価償却を行っていない資産

事業を行っている者が赤字決算、配当政策等のため、減価償却資産について減価償却を行わない場合がありますが、事業の用に供することができる資産であれば申告の対象となります。

建設仮勘定で経理されている資産

建設仮勘定の資産は、一般的には稼働できる状態ではないため申告対象になりませんが、その一部が完成し、完成した部分が事業の用に供されている場合には、減価償却を行っているか否かに関わらず申告対象になります。

自転車及び荷車

原則として企業が現に減価償却資産として、その減価償却額又は減価償却費を損金又は必要な経費に算入することとしている自転車又は荷車は、申告の対象となります。

大型特殊自動車

大型特殊自動車は、機械に車輪又は無限軌道(キャタピラ)を装着して移動または機動性を持たせたもので、本来、道路運送の用に供するというよりは、建設等のための機械として効用を発揮することを主目的としていることから、自動車税の課税客体から除外されていますので、償却資産として申告対象となります。

遊休又は未稼働の資産

メンテナンス等を行い使用できる状態にある遊休資産や使用される予定のある未稼働資産は、その資産が事業の用に供することができる状態にあるものとして申告対象となります。

改良費

償却資産の種類、改良費等の名義で支出した金額について、税務会計では資本的支出と修繕費に区分される場合がありますが、償却資産の使用可能期間の延長又は価値の増加をもたらす等の積極的な資本的支出は、固定資産税における改良費とされ申告対象となります。

福利厚生用資産

福利厚生用の資産は、本来の事業の用に直接供されてはいませんが、更衣室のロッカー、社員食堂の厨房設備等は、事業を行うのに必要なものとして申告対象となります。

租税特別措置法による即時償却等の適用資産

租税特別措置法(第28条の2、第67条の5、第68条の102の2)を適用して損金算入した資産は、償却資産の申告対象となります。

申告の対象にならない資産

自動車税・軽自動車税の課税対象となる自動車等

自動車、原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車に対しては、自動車税又は軽自動車税が課税されているため課税対象から除外されます。

無形減価償却資産

鉱業権、特許権、ソフトウェア等の無形固定資産は、資産が具体的に存在するものではないため、市町村の行政サービスとの受益関係が明らかでない等の理由により課税対象から除外されます。

繰延資産

法人又は個人が支出する費用のうち、支出の効果がその支出の日以後1年以上におよぶもので創立費、開業費、開発費、社債発行費等の繰延資産は、固定資産税における償却資産に含まれませんので、課税対象から除外されます。

少額資産等

  1. 取得価額が10万円未満又は耐用年数が1年未満のもので、当該資産の取得に要した経費の全額が所得税法、法人税法の規定による所得の計算上一時に損金算入されるものは、償却資産の申告対象から除外されます。
  2. 取得価額が20万円未満の償却資産で、事業年度ごとに一括して3年間(36カ月)で減価償却を行うことを選択したものは、課税対象から除外されます。

償却資産の種類と具体例

償却資産の種類と例

固定資産税においては、償却資産申告にあたり種類を次の6種類に区分しています。

  1. 構築物
  2. 機械及び装置
  3. 船舶
  4. 航空機
  5. 車両及び運搬具
  6. 工具・器具及び備品

以下は償却資産の種類と例を載せた表になります。

償却資産の種類と対象資産の例
番号 種類 対象資産の例
1 構築物 受・変電設備、ネオンサイン、舗装路面(駐車場舗装)、庭園、電気設備、給排水設備、衛生設備等
2 機械及び装置 加工機械、製造機械、冷凍・冷蔵業用設備、紡績設備等
3 船舶 客船、貨物船、ボート等
4 航空機 飛行機、ヘリコプター等
5 車両及び運搬具 フォークリフト等の大型特殊自動車等
6 工具、器具及び備品 パソコン、陳列ケース、自動販売機等

償却資産の評価

価格(評価額)の求め方

評価額の算出にあたっては、以下のように計算します。

前年中に取得された償却資産

価格(評価額)=取得価額×(1-減価率/2)

前年前に取得された償却資産

価格(評価額)=前年度の価格(評価額)×(1-減価率)

ただし、上記計算式で求めた額が、(取得価額×5/100)よりも小さい場合は、(取得価格×5/100)により求めた額を価格とします。

減価率表(耐用年数30年までの抜粋)

耐用年数に応じた減価率表
耐用年数 減価率
2 0.684
3 0.536
4 0.438
5 0.369
6 0.319
7 0.280
8 0.250
9 0.226
10 0.206
11 0.189
12 0.175
13 0.162
14 0.152
15 0.142
16 0.134
17 0.127
18 0.120
19 0.114
20 0.109
21 0.104
22 0.099
23 0.095
24 0.092
25 0.088
26 0.085
27 0.082
28 0.079
29 0.076
30 0.074

評価額の免税点

免税点とは、課税標準額が一定額未満のものを課税しない制度のことをいいます。
償却資産は課税標準額が150万円に満たない場合は固定資産税を課税しません(地方税法第351条)。

税額の計算

償却資産の課税標準額は原則として価格(評価額)です。それに税率を掛けることにより税額を求めます。具体的には以下の計算式によって計算します。

課税標準額(千円未満切捨)×税率(1.4/100)=税額(百円未満切捨)

申告書の提出先・お問い合わせ先

愛荘町役場 税務課 固定資産税係
〒529-1380 滋賀県愛知郡愛荘町愛知川72番地
電話 0749-42-7690

この記事に関するお問い合わせ先

税務課
〒529-1380 滋賀県愛知郡愛荘町愛知川72番地
電話番号:0749-42-7690
ファックス:0749-42-7117
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