あいしょうビト~「選べる」まち。昔ながら、のいいところ~

更新日:2021年09月18日

藤田 恵さん

                        移住歴 : 8年 (神奈川県→ 愛荘町)

愛荘町に来られたきっかけは何ですか?

  “ よくあるきっかけのひとつ、子どもの就学 ”

 私は主人が愛荘町の出身で、出会ったころから「いつか愛荘町に戻りたい」と言っていたので、上の子どもが小学校に上がるタイミングで自然と愛荘町への引っ越しを決めました。

子どもの就学をきっかけに夫婦どちらかの地元に移住するというのは、結構よくあるきっかけかなと思います。

神奈川県から愛荘町へ移住するのに、ギャップは感じなかったですか?

  “  ギャップありませんでしたよ

 あ、それ、よく聞かれます。笑

神奈川県といえば横浜とか湘南のイメージがあるのかもしれませんね。 

私の地元は山もあり田畑も広がり、農家あり・・マクドやスタバなんてありません(笑)
ちなみに電車の駅も無いので、むしろ愛荘町の方が都会かも!?
だから都会から田舎に来た、というようなギャップはあまりありませんでした。

日常生活に車が欠かせない地域で、高速のインターが近くて車に乗ればいろいろ行けるのも愛荘町と似てますね。
愛荘町は国道8号線や307号線を利用すれば彦根市にも近江八幡市にもすぐ行けますし、大津や京都も1時間ほどで行けるのでいいですよね。

移住するときに困ったことはありましたか?

  “ やっぱり地元の「リアルな」情報がわからない事ですかね ”

子どもの小学校の事前準備は何が必要か?相談できる知り合いがいなくて困った・・というか、不安でした。

手続きは学校と役場に電話で問い合わせ、郵送でのやりとりをしたり、学校説明会には新幹線で来て日帰りで参加しました。今も覚えてるのは「ランリュック」かな。
私の地元だとみんなランドセルなので、私の父母も孫にランドセルを買ってあげるつもりでいたのですが、主人が「要らないよ」って。ランドセルが要らない?!とびっくりしていました。
知ったタイミングが遅かったらランドセルを買ってたかも・・

あと体操服の申し込みとかも「冬用は何着あれば良いよね」といった細かい情報や相談ができる知り合いがいなかったりとか。
地名(字名)も中宿しかわからなかったので、自己紹介で字名を教えてもらうんですけどどの辺の家か?歩いていける距離なのか行けない距離なのか?とかも全くわからなかったです。

情報がないのは困りますよね。参考にしていたものはありますか?

  “ 役場や学校への聞き取り以外は、やっぱりSNS ”

ただ、検索キーワードが分からないんですよね。とりあえず「愛荘町」とか「愛知川小学校」とか、知っている単語で検索して情報収集していました。笑 

そのような学校とか、あとは病院などの情報が載っているホームページとかあれば助かったかも。

これは笑い話なんですけど、私は慢性的に肩こりと頭痛があるので、時々愛知川駅の近くの「まこと鍼灸院」さんにお世話になっているんです。
でも最初、近くにこんないいところがあると知らなくて、まさかの永源寺*1まで通っていました!!今考えるとすっごい行動力。笑

*1:永源寺:となり町の東近江市の地域。愛荘町からは車で30分程度。

移住してからはどうでしたか?

  “ 小さい子連れで行ける施設(少し大きい公園とか)が知りたくて ”

移住当時は下の子が1歳。
小さい子連れで行ける施設(少し大きい公園とか)が知りたくて、役場に聞きました。

でも正直言うと、車に乗って彦根や近江八幡に行く事が多かった。愛荘町の中で過ごす時間は少なかったと思います。

生活する地域に馴染むために、悩まれたことはありますか?

  “ 知り合いの少なさと、その土地なりの習慣や感覚 ”

知り合いの少なさと、その土地なりの習慣や感覚が分からなかった事ですかね。

ひとつひとつの些細な事でも、分からないから周りをすごく気にしていたというか・・。

でもある時、中山道に「恵知の駅」※2という場所がありました。

そこで愛荘町の観光地図をもらったり、観光案内をしていたおばちゃん達と話をしたりして、少しづつ地域の方との距離が縮まっていったのをいつも感じていました。平和堂で買い物をしていたら「あら、こんにちは」って声をかけてもらえてすごく嬉しかったです。

そして、そこで地域おこし協力隊として他府県から来られた方お二人と出会い、そのお二人が「おうちごはん」※3という取り組みを始められたという事で行ってみようと。

そこは、よくある「田舎のお盆」みたいな素敵な雰囲気で。
ご近所の老若男女がワイワイごはんを食べに来ていて、おばちゃんが「これ作って来たんよ~」って家庭料理を差し入れしてくれたりして。
自由参加なので行ってもいいし、行かなくてもいいしという空気も、私には良かったです。

こういう場所で繋がったご縁で、子どもが大きくなってくると、地元の方に「ああ、大きくなったなー」とか、声を掛けてくれるようにもなりました。

そういう小さな事が嬉しいんですよね~。 気持ち的にもとても住みやすくなりました。

※2:恵知の駅:観光協会が主導となり、中山道と地域の方の憩いの場づくりとして期間限定で行われていた事業

*3:おうちごはん:地域おこし協力隊(当時)の関さんが実施したコミュニティ事業。

そういうコミュニティは今もどこかで参加できるのでしょうか?

  “ 地域に溶け込むきっかけは、意外と近くにあるかも ”

そうですね。たくさんあるとは思うのですが、私が知っている2つを紹介しますね。

1つ目は、「ののすて折り紙商店」と「刺繍屋ポイトコセ」さんの店舗です。
愛知川宿の中にあります。オープンしている日に行くと気軽に迎えてもらえて、地元の情報も教えてもらえますよ。

 

2つ目は、恵知の駅の役割を継承している「愛知川ふれあい本陣」です。

国の有形文化財にも指定されている歴史的な価値がある建物で、観光協会の方が常駐されているので、愛荘町全域の事を教えてもらえるし、イベントパンフレットも豊富に揃っています。

そして、この「愛知川ふれあい本陣」では、管理会社の三和サービスさんが、毎月第3日曜日に愛荘町内外の方を対象にした交流イベントを定期開催されています。

ふれあいフリーマーケット・コストコフェア・楽ハート楽マルシェ(ハピラクマルシェ)の3つのイベントを1か所で同時開催しながら、併設のカフェでモーニングやランチも楽しめるイベント。
毎月150~300人程のお客様の来場があるようですよ。

ハピラクマルシェは、福井県から愛荘町に移住してきた方が始めたイベント。
事情があって今は私が2代目として、取り纏めを担当させてもらっています。

私のような子育て世代や介護世代の方、子育てがひと段落してご自身の時間を明るく楽しんでいる方達が、ワイワイとハンドメイドのお店を出店してくれています。
お買い物ではなく、出店者さんとおしゃべりに来る地元の方もいるんですよ。

女性の生き方がどんどん多様化している時代に、こういう小規模の活動のきっかけになる場所があるってすごく素敵だと思うんです。
ここで出店を初めて、今では大きなイベントに出店するまでに成長された方もおられます。

ここがあるからいつもの生活が頑張れる。そういう場所にしていきたい。

移住者の方も、ぜひイベントへ来てみてくださいね。
同郷の方がいるかもしれないし、近所の方が見つかるかもしれない。地域に溶け込むきっかけは、意外と近くにあるかもしれなくて・・

私が移住してきた時に地元の皆さんにもらった「安心」を、今度はこの「愛知川ふれあい本陣」からお届けできるように続けていきたい。
そんな私の思いを三和サービスさんと参加者みんなが支えてくれています。

愛荘町の魅力はどんなところだと思いますか?

“ 自分にあった地域を選ぶこと ”

「選べる」ってことなんじゃないかと思います。

愛荘町は程よく新興住宅街もあり、ご近所が移住者同士だったらそれが共通点になって横の繋がり作りが始めやすいと思います。

逆に、昔ながらの地域もあって、そこでは昔ながらの近所づきあいもできるし、農作業をしたい人には、それができる地域もある。
自分にあった地域を選ぶこともできるんじゃないかな。

私は中山道沿いに住んでいて昔ながらの家も多くて、ご近所の人が子どもたちや、おばあちゃんを一緒に程よい距離で見守ってくれるのはとても心強い。
そんな繋がりが、地域の良いところだと感じます。そして出会えた方はみんな優しい。
とても好きな町になりました。

最後に、これから移住される方にお勧めのポイントなどありますか?

“ 歴史的な文化財がたくさん近くにあります ”

中山道を中心に、日常の中でお散歩をしていると、歴史的な文化財がたくさん近くにあるのが素敵だなと思います。

あと、実は私が一番感動したのは12月ぐらいだったかな・・・豊満※4のあたりを歩いていてふと小道に入ったことがあります。
そうしたら地域一帯の皆さんのお庭やベランダに、干し柿がカーテンのようにズラーっと干してあって、それが 本当にきれいですごく風情があって、まさに「孫までに見せたい風景」というか、「ああ、私は素敵な土地に来たんだな」と思いました。

※4:豊満:愛荘町の地域の一つ。国指定重要文化財の「四脚門」を有する「豊満神社」が有名。

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〒529-1380 滋賀県愛知郡愛荘町愛知川72番地
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